日本最大の神道団体!神社本庁

最終更新日 2024年11月19日 by asisps

「神社本庁について詳しく知りたい」
「神社本庁の歴史に興味がある」
「神社本庁に加盟していない神社ってどれぐらいあるの?」

神社本庁とは全国各地にある神社の包括する組織として昭和21年(1946年)に誕生した包括宗教法人です。
全国の神社を束ねる組織としては、明治維新によって設立された内務省の外局「神祇院(じんぎいん)」が知られていますが、敗戦により昭和20年(1945年)12月5日の神道指令にて解散させられました。
また日本国憲法20条における政教分離により、行政機関が特定宗派や教団との関係を持てなくなったため、民間組織の宗教法人へと組織形態を変更しています。
名称に行政機関のような「本庁」という表現がなされるのは、かつて行政機関であったことの名残と考えられます。

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全国にある約8万の神社が加盟

神社本庁は、伊勢神宮を全国各地の神社の本宗(総本家)の性格を持つため、全国にある約8万の神社が加盟しています。
日本独自の信仰である神道と関連する儀式や祭儀、文化の保存と維持を目的に活動しており、神道を代表する組織と言ってよいでしょう。
ただし神道は、仏教やキリスト教のように共通の経典や教義を有しないため、全国各地の神社の歴史や伝統や祭祀の振興、道着の昂揚、氏子組織の活動支援などを主な目的にしています。

すべての神社が加盟しているわけではない

神社本庁は全国各地にある神社を統括していますが、必ずしもすべての神社が加盟しているわけではありません。
例えば全国で親しまれる稲荷神社の総本社である稲荷神社、明治維新から第二次大戦までの英霊を祀る靖国神社、徳川家とゆかりの深い日光東照宮、金刀比羅宮など加盟していない神社も少なくありません。
また各地で独自の発展を遂げてきた神社の文化や伝統を尊重しており、祭神や儀式においても独自性を尊重する姿勢が知られています。
ただし各地の神社を参拝する際に混乱が生じないよう、一定の作法について紹介しているため、神社を訪れる際に知っておくと役立ちます。

組織の序列

組織の序列としては、本宗である伊勢神宮→神社本庁→各神社庁→支部→加盟神社となっています。
これらの組織を結びつけているのが神宮大麻です。
神宮のお神札のことを神宮大麻と呼んでおり、伊勢神宮が発行したものを加盟神社などで販売しており、それらの売上が納付金として伊勢神宮に納められます。
また伊勢神宮からは神宮大麻と初穂料(祈祷へのお礼)約50%が神社本庁を通じて各神社に交付されており、神社施設や維持などに利用されています。
伊勢神宮と各地域の各神社を結びつけているのが、最も特徴的な役割と言えるでしょう。

神宮大麻について

神宮大麻について説明しておきます。
伊勢神宮の主祭神である「天照皇大神」の恩恵を得られるように祈願を込めた神札となっており、歴史をたどると平安時代にまで遡ります。
全国各地で祈祷していた伊勢の御師が、その証明書にしたのが「御祓大麻」です。
当時の参拝者らに頒布していたことが記録されており、江戸時代工期には全国の世帯の約90%が御祓大麻を所持していたと考えられます。
また御師は神楽奉奏を伊勢参拝の手配などを行うなど、伊勢神宮と全国各地の神社を結びつける神職として機能していました。
御祓大麻は明治維新後に廃止されますが、神宮大麻となって現在まで継承されています。

大麻とは

神宮大麻における「大麻」は、捧げ物やお祓いの際に利用されていた木綿や麻を指します。
もともとは「おおぬさ」または「ぬさ」と呼ばれており、大麻が神々を象徴するため神事や催事などで重要な役割を持ちます。
大和王朝時代の氏族である忌部氏は、大麻織物でつくる麁服(あらたえ)を製作しており、大嘗祭に臨む皇位継承者は必ず着用しなければなりませんでした。
生命力の強い大麻は魂の象徴であると同時に、穢れを取り除く力があると考えられており、現在でも大嘗祭に供えるための麁服が製作されています。
このような関係から神道にとって大麻は神聖なものとされており、御祓大麻や神宮大麻にも反映されています。

過疎地域における神社化への取り組み

過疎地域における神社化への取り組みも知られるようになりました。
昭和40年代(1960年代)から独自の調査を開始、昭和50年になると神社振興対策を展開しており、40年以上も継続的な活動支援を行っています。
それぞれの神社が有していた独自の伝統文化の保存・維持・伝承、神社が主催する各種イベントや催し、祭礼行事の紹介に加えて神社の維持に欠かせない氏子・総代などの組織の活動支援と連携など幅広いものがあります。

まとめ

神社本庁が提供するテレビ番組である「鎮守の森の物語」が知られています。
5分未満のミニ番組として製作されており、全国各地にあるお社をめぐる人々の関わり、都市部を中心に見かけることの少なくなった懐かしい風景を記録することで伝統文化や慣習を保つ機能をアピールしています。
全国8万に及ぶ神社を束ねるとともにそれぞれで異なる伝統と文化や催事を維持・継承するサポートを行っており、少子高齢化の中でも重要な役割を担っていると言えるでしょう。
日本文化の根源である神道や神社と密接な関係を有している宗教団体は数少ないので、これからの活動が注目されます。