最終更新日 2024年11月19日 by asisps
⒈頭を載せた際の首から背中にかけての背骨の形状が大事
ストレス過多の社会や高齢化が加速している影響もあって、近年では睡眠の悩みを抱える人が急増していると言われます。
子どもの頃には盛んに分泌されていた睡眠ホルモンが年齢を重ねるほどにその量を減らし、夜型生活によってさらに分泌量が低下することから、不眠症は深刻な現代病の一つと考えられるようになりました。
合わない寝具によって肩こりや腰痛が悪化することにもなりかねず、特に枕選びを失敗してしまうと睡眠時の頭の位置が適切な状態に保たれないことから首や肩にこりが生じるだけでなく、睡眠の質が低下して熟睡感が得られず、昼間に強い眠気や倦怠感などに悩まされる恐れがあります。
その状態が続いてしまうと本格的な不眠症になりかねないため、早めに対策しておくことが重要です。
起きた時に前日の疲れが癒されていないどころか、寝る前よりも首や肩がこっている場合は明らかに枕が合っていないことになり、自分に合った製品を早期に見つけなくてはなりません。
理想的な状態は真っ直ぐではなく、頭と首の付け根あたりから背中にかけての背骨が緩やかなカーブを描いている状態で、そのための適度な高さが必要になっています。
平均的にはうなじの少し上あたりの位置で、3センチメートルから5センチメートルほどの高さになる枕がおすすめとされており、女性では3センチメートルが目安で男性は5センチメートルといったように体格の違いで変わってきます。
細身の人は3センチメートル以下のほうが望ましい場合もあり、一概には言えない面もあります。
マットレスの硬軟など枕や身体が沈み込む具合によっても理想的な高さが違って来るため、注意が必要です。
⒉枕の高さが合っているかどうかの確認の仕方
高さが合っているかどうかは仰向けに横たわった際のあごの高さや角度を見ると良いとされ、寝ている人を真横から見た際に鼻からあごにかけてのラインが概ね5度となっているのが理想とされます。
あごが出過ぎていると頭の位置が高過ぎることになり、寝ている間に首が圧迫されることで肩こりの原因になりますが、低過ぎると頭が心臓よりも低い位置になって顔がむくんでしまうことにもなりかねません。
高さに加えて大事なのが、高反発か低反発かといった沈み込み方の差や、パイプやビーズなど材料によって変わる感触の違いです。
高反発・低反発は好みによっても違ってきますが、低反発タイプは頭を柔らかく包み込んで寝返りを打った際にも目が覚めにくいような優しい感触を持っていることから、眠りが浅く就寝中に肩や首がこりやすい人に枕おすすめとなっています。
逆に高反発タイプは頭を動かしやすいのが特徴で、就寝中にあまり寝返りを打たず、血流やリンパの流れが滞りがちの人に向いているという特徴を持っています。
ウレタン製のものは蒸れやすいというデメリットがあり、夏場に頭が熱くなって眠れなくなったり顔がほてりやすい人には不向きとされ、高反発・低反発という違いのほか通気性にこだわっているかどうかも選ぶ上で大事なポイントになってきます。
パイプやビーズ、昔ながらのそばがらといった材質の違いも好みに大きく左右されてきます。
そばがらは通気性や吸放湿性に優れ高温多湿の日本の夏に最適として近年見直されていますが、花粉やハウスダストのアレルギーをすでに発症している人の場合、新たなアレルゲンになりかねないため不向きとされています。
⒊自分が最もこだわりたいポイントを明確にすること
衛生面にこだわる人にとっては丸洗いできるか否かも重要で、感触が良く高さも申し分なくても洗えない製品という場合は長期にわたって利用するのは不向きということになります。
頭を置いた時の高さが絶妙なものを購入したい場合にはオーダーメイドという選択肢もありますが、その場合どうしても高額になりがちです。
材質によってはウレタンなど素材の劣化が早まることもあり、コストパフォーマンスの良さに注目することも大事になってきます。
そのほかいびきや歯ぎしりなどによって睡眠の質が低下している人に最適な機能性枕や、横向きに就寝する場合に特化した製品など人それぞれの欲しい機能に合わせた多種多様な枕が登場しています。
睡眠の悩みを抱える人の場合、インターネット通販で価格比較をして良さそうな製品を選ぶだけではなく、横たわった状態で試せる寝具店などに足を運んで実際に感触や寝心地を確かめてから購入するのがおすすめです。
なかなか一つに決められない人は、万が一合わなくても買い替えられる程度の価格帯から選んで、まずは試してみるという手もあります。